The Curious Case of Benjamin Button

 監督のDavid Fincherは私の好きな監督の一人で"Seven"、"The Game"、"Fight Club"、"Panic Room"、"Zodiac"と観ている。 特に"The Game"、"Fight Club"で顕著な、ストーリーのどんでん返しが醍醐味である。最近の作品ではそうでもなくなってきたが。それでも好きだし、興味がある監督に変わりはない。オリジナルストーリーも脚本もEric Rothという人になっているので、ちょっとDavid Fincherらしくなかったのかも。

 とはいってもDavid Fincherらしいところもあった。Brad Pitt扮するBenjamin Buttonの元恋人(Tilda Swinton)がBrad Pittに昔ドーバー海峡を泳いで渡る記録に挑戦したと語るが、後にBrad Pittがテレビを観ていると、彼女がでてきて再度チャレンジし、成功しているシーンがテレビにでていたり、他にもカメラワークとか、David Fincherらしいというのもあった。あとは何と言ってもBrad Pittである。 "Seven"、"Fight Club"に続いて3度目である。

 ストーリーは戦前のニュー・オーリンズ。あるお金持ちの家(Button家)に男の子が生まれる。母親はお産の際に亡くなり、生まれた男の子は皺だらけで、年寄りのようであった。そこで父親は、その子を老人ホームのようなところに捨ててしまう。Benjamin Buttonはそこで働く家政婦のような黒人に育てられる。 Brad Pittはその女性を生涯ずっと"My mon" と読んでいたのが感動的である。年を取って7歳ぐらいになっても歩けず、見た目は老人のようで、でも顔にはBrad Pittの面影があって笑える。その後"Daisy"という女の子(後にCate Blanchett)にあって、重要な役を果たしていく。Benjamin Buttonは年を取るに従って、だんだん体は若くなっていくという病気(?)で、あることをきっかけに歩けるようになり、どんどん若くなっている。Brad Pittももう45歳。若く見えるとはいえ、20代を演じるのには無理があったようで、若い年代を演じているときはCG処理をしているようだった。それがBotoxをやった顔のように見えておかしかった。

 ストーリーで重要なのはBenjaminとDaisyのラブストーリーと特殊な状態にあったBenjaminの家族愛。育ての母親と父親を愛し、後に告白した本当の父親を許す。色々考えさせられる。

 基本的には今にもなくなりそんな老女が自分の娘に日記を読んでもらい、過去にフラッシュ・バックするという設定である。そして最後にハリケーン・カトリーナに遭遇する。娘に日記を読んでもらうのには理由があるのだが、それは最後にわかる。

 ジョークが多く、笑えるシーンも多い。でもテーマはシリアスで、若さに対する憧れと、それを手に入れたように見えても、散ってしまう。結局儚いものということか。"Life isn't measured in minutes, but in moments"。何となく哀しい映画だった。結構面白かった、長いけど。基本的にある人の生涯というような映画は長いし、長く感じる。でもそんなに長くは感じなかったな。

 これからの賞レースには参加しそうだが、受賞は厳しいか。

 

Dr. Robert

 

Time Out New York ------ ***(最高6)

Premier ---------------- ****(最高4)

L Magazine ------------- 不明