おくりびと"Departures"

 今年のアカデミー賞最大のサプライズは「おくりびと」受賞だったのでは。日本ではどう報道されていたかは知らないが、New Yorkではみんな驚きで、予想外の出来事だった。公開されても特に大きな話題となるわけでもないし、評判が言い訳でもない。しかし見終わって考えてみると、本当に良い映画だと思う。最近では"Doubt"以来の感動である。観てよかったと思った。

 いつも一緒のイタリア人、アメリカ人と観に行ったが、評判は極めて良かった。アメリカ人は「映画を観てこんなに泣いたことはない。」と言っていた。イタリア人は「今まで一緒に観た映画の中でも"Million Dollar Baby"、"Hotel Ruwanda"と同じ位泣いた。」と言っていた。まあ泣けば良いって門でもないだろうが、感動したということは少なくても良い評価なんだろう。劇場はすいていたが、全体的に笑いあり、感動ありと言った感じだった。 アメリカ人とイタリア人は終わった後も葬儀のことで議論していた。両方とも土葬の国なので、保存方法は重要だろう。イタリア人はシシリー島出身だが、葬式まで特に保存のためのことはしないと言っていた。あとはアメリカ人はこのタイプの映画はあまり好きではないんじゃない価問いうこと。彼らには暗すぎるだろうし、死をテーマにするのはあまり好きではないのでは。というのが私達の結論だった。

 この映画を観ていてまず最初に思ったのは、モックンの手がきれいだということ。音楽が良いということ。映画の舞台は山形県、庄内地方(酒田市?)だが、昭和の匂いがまだかなり残っていてよかったということ等である。

 ストーリーとしては比較的先が読みやすいベタな話なのでは。しかしそんなことは問題にならない。良い話なのである。そして感動する。それぞれの"Departure"が良い話で、俳優も良い。個人的には日本の映画はあまり好きではない。俳優をあまりにもテレビで観すぎていて、ありがたみがないからである。そういえばモックんはあまりテレビに出ていないようだが。本当に日本映画で良いと思ったのは久しぶりだ。俳優も本当に良かった。「火垂るの墓」以来か。日本人以外の人も宮崎駿なんか観てないで、この映画を観て欲しい。

 英語のタイトルが"Departures"だったのはイマイチ納得できなかった。風呂屋でいつも1人で将棋をやってた人の最後の一言なんかを考えていると、違うタイトルでも良かったのではと思う。私に良いアイディアはないが。

 アカデミー賞を観ていると、最優秀外国語映画賞良い作品があることが多い。一昨年の"The_Lives_of_Others" なんか本当に良い映画だった。今年も良い映画が受賞したが、それが日本の映画だったということは、本当にすばらしいことだったのでは。

 個人的にはかなりつらい内容の話だったが。

 

Dr. Robert

 

Time Out New York ------ ***(最高6)