12 Years a Slave

 

 スティーブ・マックウィーンと言えば「荒野の7人」、「パピヨン」などのアメリカの超有名俳優。50歳で亡くなった。そかし2014年もう一人のスティーブ・マックウィーン(Steve McQueen)の名前が世界に知られた。こっちはイギリス人で黒人。彼の最新作"12 Years a Slave"(邦題:それでも世は明ける)がアカデミー賞を受賞した。

 プロデューサーはブラッド・ピット(Brad Pitt)。彼にとっては"The Departed"に続いて2度目のオスカー受賞。 本作にもちょい役で出ているが、美味しい役。カナダ人大工という役がどうしても私の友人Jamesを思い出さずにはいられない。彼はカナダ人でブラッド・ピットそっくり。

 主演のSolomon役は キウェテル・イジョフォー(Chiwetel Ejiofor)。"Children of Men"にでていたらしい。よく見る顔ではある。他にはブラッド・ピット。あとはPaul Giamatti。ジュリア・ロバーツの"Dupliicity" 、ジム・キャリーの"Man on the Moon"なんかに出ていた名脇役。ただし今回はかなりもちょい役。他はあまり有名ではない俳優、女優が多い。女性の奴隷の1人を演じていたLupita Nyong'oがVogueに出ていた。彼女の映画デビュー。かわいそうな役を熱演していた。

 "There Will Be Blood" のPaul Danoも出ているが、本当にやな奴の役。There Will Be Bloodの時とはちょっと違う雰囲気。個人的に好きな俳優ではない。 そのせいもあって、彼がぼこぼこにされるシーンではすっとした。他にも映画の中ではSolomonの2番目のオーナーとなるEdwin Epps。彼もやな奴。この役を演じたMichael Fassbenderは"The Counselor"のカウンセラー役でブラッド・ピットと共演していた。Edwin Eppsの奥さんも本当にやな奴だった。

 ストーリーはまだ奴隷制度の中のアメリカ東海岸、New York州のSaratogaという街。Solomonは大工でありバイオリン奏者として働いていて、妻と2人の子供がいる。そんな中、高収入の音楽家としての仕事が入り、ワシントンに行く。しかし策略だったのか、ソロモンは捕らえられ、船に乗せられ、南部ニューオーリンズに連れて行かれる。名前も違っていて、明らかに間違いなのに、奴隷として買われ、プランテーションで働くこととなる。その奴隷生活はあまりにも厳しい。ただただ辛い状況が淡々と綴られている。英語はわかりにくいし、鞭で打たれるシーンは残酷だし、観てると辛くなる部分もある。特に辛かったのはSolomonが女性をむち打つシーン。悲惨以外何者でもない。

 エンディングは予想通り。ブラッド・ピットが重要な役割。ちょい役だけど。感動するが、泣くまででもない。それだけストーリーが淡々としている。Lincoln等の伝記映画にありがち。そういうもんだと思って観ていると良い映画ではある。

 奴隷制度のことは一寸しか知らない。学校で習った程度。しかし奴隷の時代に普通に生活していた黒人がいたことはあまり知らなかった。Solomonンが捕らえられたのが1841年。南北戦争が始まったのは1861年なので、20年前に既に北側には自由な黒人も多かったということなのか。Solomon自体も悲劇であるが、奴隷制度は人類の歴史でも恥ずべきことだし、憎むべきこと。そのことも良くわかる。その悲惨な奴隷制度の中、この物語が実際にあったということも恐ろしい。

 評論家受けはもの凄く良い。軒並み満点揃い。アカデミー賞も取ったけど、面白い映画とは言えない。

 スティーブ・マックウィーンはアカデミー最優秀監督賞を受賞した最初の黒人になった。

 この映画はSolomon Northupは1853年に発表した本をもとにしており、実際の彼の経験した物語である。悲惨な話だが、南保ク戦争の前に出版されていることが、すごい。少しずつ解放に向かっていたのか。

 

Dr. Robert

 

Time Out New York ------ *****(最高5)

New York Daily News ---- *****(最高5)

Premiere --------------- ****(最高4)

The Guardian ----------- *****(最高5)

Rolling Stone ---------- ****(最高4)